有機化学のオキテ

<24>単糖類,二糖類
掟35.スクロースの構造と,スクロースがなぜ還元性を示さないのかを説明できるようにしておくべし。

<24-3>

フルクトースについて,次の問い(問1~問3)に答えよ。

フルクトースは,水溶液中では,鎖状構造,六員環構造,五員環構造をしており,それらが平衡状態で存在している。六員環構造と五員環構造のフルクトースには,それぞれα型とβ型が存在しており,それらはお互いに( a )異性体である。

下の図は,五員環構造のβ-フルクトースの構造を示している。鎖状構造のフルクトースは還元性を示すので,フルクトース溶液に( b )を加えて,おだやかに加熱すると,赤色の酸化銅(Ⅰ)が析出する。1分子のβ-フルクトース(五員環構造)が1分子のα-グルコースと脱水縮合すると,二糖類のスクロースが生じる。 (有機化学のオキテP65)

問1 文中の( a )と( b )に適する語句を記入せよ。

問2 右の図は,鎖状構造をしたフルクトースの構造式である。右の図中のに適する元素記号または基を入れてその構造式を完成せよ。

問3 スクロースが生じるとき,上の図で示したβ-フルクトースの何番の炭素原子に結合しているヒドロキシ基が,α-グルコースの1番の炭素原子に結合しているヒドロキシ基と脱水縮合するか。その炭素原子の番号を答えよ。

<藤田保健衛生大学医学部>

<24-3>解答と解説

有機化学のオキテP188

<解答>

問1 (a)立体 (b)フェーリング液

問2 

問3 2

<解説>

フルクトースは次図のように水溶液中で鎖状構造,五員環構造(フラノース),六員環構造(ピラノース)をとる。

問1 (a)αとβは2位の炭素に結合しているCH2OHとOHの位置が逆になっている。
(b)フルクトースの鎖状構造のもつヒドロキシケトン基(-CO-CH2OH)による還元性は,フェーリング液を用いたフェーリング反応により確認できる。(酸化銅(Ⅰ)(Cu2O)の赤色沈殿が析出する。)

問2 (Aの部分は鎖状構造のヒドロキシケトン基(-CO-CH2OH)の部分である。この部分がアルデヒド基を含む構造に変化し還元性を示す。

問3 スクロースは次図のようにα-グルコースとβ-フルクトース(五員環構造)がグリコシド結合した構造をもっている。

この場合,α-グルコースの1位の炭素に結合しているヒドロキシ基と脱水縮合するのは,β-フルクトースの2位の炭素に結合しているヒドロキシ基である。

<補足>

問3の解説より,スクロースを構成するα-グルコースとβ-フルクトースの還元性に関係する部分どうしがグリコシド結合に使われてしまっていることがわかる。このためにスクロースは還元性を示さない。

掟35.スクロースの構造と,スクロースがなぜ還元性を示さないのかを説明できるようにしておくべし。