有機化学のオキテ

掟11.還元性を調べる反応としては,フェーリング反応や銀鏡反応があることを常識とせよ。またフェーリング反応で生じる沈殿の色(赤色)や化学式(Cu2O)はよく出題されるので必ず暗記せよ。

<7-1>

アルコールについて以下の問に答えなさい。(有機化学のオキテP22)

アルコールは炭化水素の( ① )原子を( ② )で置換した化合物であり,( ② )の数と,( ② )が結合している炭素原子に結合する( ③ )の数により分類される。前者で( ② )を1つもつものを( ④ )アルコールといい,後者で結合( ③ )が2つのものを第二級アルコールという。第一級アルコールは( ⑤ )され易く,( ⑤ )されて( ⑥ )になり,さらに( ⑤ )されると( ⑦ )になる。例えば,エタノールは( ⑤ )されると( ⑧ )になり,さらに( ⑤ )されると( ⑨ )になる。アルコールは( ⑩ )性の化合物で,炭素数が多いほど水に溶け( ⑪ )い。また,a.同程度の炭素数の炭化水素と比較すると,融点や沸点が高いが,同族のアルコールでは,分子量が( ⑫ )ほど沸点は高く,同一分子式のアルコールでは分子の形状が球形に近いほど沸点は( ⑬ )い。

問1 ( ① )~( ⑬ )に適当な語句を入れなさい。

問2 ( ⑥ )のもつ性状を検出する反応名を2つ書き,それぞれの反応式を書きなさい。

問3 下線部a.の理由を30字以内で書きなさい。

<昭和大学医学部>

<7-1>解答と解説

有機化学のオキテP106

問1. ①水素 ②ヒドロキシ基(水酸基) ③炭素原子 ④一価 ⑤酸化 ⑥アルデヒド ⑦カルボン酸 ⑧アセトアルデヒド  ⑨酢酸 ⑩中 ⑪にく(い) ⑫大きい ⑬低(い)

問2. フェーリング反応
  R-CHO+2Cu2++5OH → R-COO+Cu2O↓+3H2O
銀鏡反応
  R-CHO+2Ag++3OH- → R-COO-+2Ag+2H2O

問3. アルコールはヒドロキシ基をもち分子間に水素結合が働くため。(30字)

<解説>

問1 アルコールは炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置換した化合物であり,ヒドロキシ基の数(価数)や,ヒドロキシ基が結合している炭素原子に結合する炭素原子の数により分類される。後者の分類は

第一級アルコール:ヒドロキシ基に結合した炭素原子に炭素原子が1個以下結合したもの。酸化されるとアルデヒドになり,さらにカルボン酸になる。

第二級アルコール:ヒドロキシ基に結合した炭素原子に炭素原子が2個結合したもの。酸化されるとケトンになる。

第三級アルコール:ヒドロキシ基に結合した炭素原子に炭素原子が3個結合したもの。酸化されにくい。

となっている。アルコールは中性の化合物で,炭素数が多いほど水に溶けにくい。同族のアルコール(一般式が同じアルコール)では,分子量が大きいほど分子間力が大きくなるため沸点は高くなる。同一分子式のアルコールでは,分子の形状が球形に近いほど分子間の接触面積が小さくなるため沸点は低くなる。

問2 フェーリング反応と銀鏡反応は共に還元性を調べるための反応で,アルデヒドには還元性があるため,これらの検出反応に対して反応が陽性となる。フェーリング反応が陽性の場合はCu2O(酸化銅(Ⅰ))の赤色沈殿が生じ,銀鏡反応が陽性の場合は銀が析出する。

問3 同程度の炭素数の炭化水素と比較すると,アルコールは分子間に水素結合が働くため融点や沸点は高くなる。

<補足>

フェーリング反応で用いるフェーリング液は,CuSO4水溶液(A液)と酒石酸ナトリウムカリウム(ロッシェル塩)とNaOHの混合水溶液(B液)を等量ずつ使用直前に混合したものである。また銀鏡反応ではアンモニア性硝酸銀水溶液を用いる。

掟11. 還元性を調べる反応としては,フェーリング反応や銀鏡反応があることを常識とせよ。またフェーリング反応で生じる沈殿の色(赤色)や化学式(Cu2O)はよく出題されるので必ず暗記せよ。