有機化学のオキテ

<1>化学式の決定
掟1.元素分析に用いる物質名や使う順序は、正確に暗記すべし。

<1-1>問題

有機化合物の炭素・水素の元素分析について、次の問(問1~3)に答えよ。 (有機化学のオキテP10)

有機化合物の炭素・水素の元素分析について、次の問(問1~3)に答えよ。

問1. 図に示した有機化合物の炭素・水素の元素分析装置のA,B,Cの管中に入れる化合物の名称を書け。

問2. 図に示した元素分析装置を用いて有機化合物の元素記分析を行った時にBとC管の質量は増加する。それらの質量の増加はどのような生成物によるか。生成物の化学式を書け。

問3. 試料中に硫黄が含まれていると、この元素分析法では炭素と水素の組成比が正しく求められない。それは何が生ずるためか。生ずる化合物の名称を書けまた、炭素と水素の組成比が正しく求められない理由を25字以内で述べよ。

<藤田保健衛生大学>

<1-1>解答と解説

有機化学のオキテP90

<解答>

問1. A:酸化銅(Ⅱ) B:塩化カルシウム C:ソーダ石灰

問2. B:H2O  C:CO2

問3. 二酸化硫黄 (理由)Cの中のソーダ石灰に二酸化硫黄が吸収されるため。(24字)

<解説>

問1,2 水素・炭素を含む試料を燃焼するとH2OやCO2が発生し、発生したH2OはB中のCaCl2と、CO2はCの中のソーダ石灰と反応し吸収される。このときのBの質量増加分がH2Oの発生量として、Cの質量増加分がCO2の発生量として計測される。

Bの中の反応 Bの中の反応
Cの中の反応 Cの中の反応

問3 もし試料中に硫黄が含まれているとSO2が発生し、発生したSO2はCの中のソーダ石灰と反応し吸収される。するとCの質量増加分はCO2とSO2の両方分になるので、この元素分析法では組成比が正しく求められない。

Cの中の反応
(SO2
Cの中の反応(SO2)

<補足>

1 酸化銅(Ⅱ)(CuO)は試料の不完全燃焼を防ぐために用いる。

2 塩化カルシウム管とソーダ石灰管は逆にはできない。逆にすると最初のソーダ石灰管に燃焼により発生したH2OとCO2が共に吸収されてしまい,それぞれの質量を求めることができない。

掟1 元素分析に用いる物質名や使う順序は,正確に暗記すべし。