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医学部二次試験、面接・小論文対策にも使える医療時事キーワード

以下の記事は2012年時の記事です。

Vol.11 「病腎移植の問題点」

――「病気腎移植禁止は生存権侵害」、腎臓病患者ら国提訴へ ――

 (2008年10月5日 読売新聞)

治療のために摘出した腎臓を別の腎臓病患者に移植する「病気腎移植」を厚生労働省が原則禁止としたのは患者の生存権侵害にあたるなどとして、愛媛県内などの腎臓病患者らが4日、国を相手取り、損害賠償と病気腎移植の容認などを求める訴訟を松山地裁に起こすと発表した。

病気腎移植を否定した日本移植学会幹部に対する損害賠償請求訴訟も行う予定で、ともに今月中にも提訴する。(以下略)

◇   ◇   ◇

移植には、生体移植・死体(主として脳死)移植の他に、「病気で摘出した臓器の移植」という方法があります。中でも有名なのは「ドミノ肝移植」と、2006年に問題となった「病腎移植」です。

宇和島徳洲会病院の万波誠医師ら(「瀬戸内グループ」)が行った病腎移植に対しては、日本移植学会などが共同で2007年3月に「現時点では妥当性なし」とする「病腎移植に関する学会声明」を出し、その後、厚生労働省は臓器移植法運営指針を改正、病腎移植を「臨床研究以外は禁止」としました。

今回の提訴は、その措置を不服とするものです。

◇   ◇   ◇

病腎移植の基本的な発想は、

(1)生体移植のドナーは限られている(取り締まる法はないが、病院の倫理委員会が制限)。

(2)死体(脳死)移植で提供される臓器も、非常に少ない。

(3)かたや、病気のために臓器を摘出する患者がいる。

(4)ならば、摘出した臓器を、もっと重症の患者に移植してはどうか。

というもの。

患者としては切実です。前にも記したように、腎移植を希望する人は1万人以上ですが、そのうち移植を受けられるのは約1%に過ぎません。

しかし、日本移植学会や厚生労働省などからは、「レシピエントは安全か?」「ドナーは摘出の必要があったのか(移植しても安全なら、摘出しなくても安全なのではないか)?」「インフォームドコンセントは十分だったのか?」「ドナーを選ぶ手続きは公正だったのか?」などの疑問が投げかけられ、病腎移植は「禁止」ということになったのです(そもそも問題の発端は、「臓器売買」事件でした。レシピエントがドナーに、謝礼として現金などを渡したため、臓器売買を禁じた臓器移植法に触れ、レシピエントは執行猶予付き有罪となったのです)。

他方、ドミノ肝移植はというと、最初に臓器の提供を受ける人がFAP(家族性アミロイド・ポリニューロパチー)患者である場合に限って行われているようです(国内では1999年から28例、世界では過去500例以上とのこと)。

◇   ◇   ◇

かつて1968年に、札幌医大の和田寿郎教授が日本初の心臓移植を行った時、後になってドナーの死について数々の疑問が浮かび、結果として和田移植が「暴走」であったことが明らかになりました。

そのトラウマによって日本の移植は数十年遅れをとった、そして今も石橋を叩いて渡らないぐらい慎重になっている……と指摘する人もいます。

暴走であるか否かの境目は、実はそれほど明確ではないのかもしれません。でも、はっきり言えることが3つあるように思います。

その1:親族でない第三者のドナーでも、それを公正に選ぶ方法(システム)は、本気になればつくれるのではないか(かつて、「売血」がまかり通った時代もありましたが、現在の「献血」にはそういうことはありません)。

その2:その方法が見つかったとしても、提供される病腎や病肝はやはり足りないだろうということ。

その3:病腎・病肝移植では、根本的解決にはならないこと。

「iPS細胞」や「Muse細胞」に熱い視線が注がれるのには、こういう理由もあるわけです。