現役東大生理Ⅲブログ

東大生TMNブログ~大学生活編Vol.62~ 2014年10月

大学生活編|現役東大生理Ⅲブログ

10月はオクトーバーで、それでいてタコってオクトパスですよね。オクトって同じ語源なのかと思いきや足が10本なのはイカだし……と悩んでいたところ、どうやらローマの暦では現在の10月が8番目だったようです。TOEFLの単語帳を勉強していたら書いてあって、ちょっと感動したのですが、もしかして一般常識でしょうか。どうにもその方面が抜けに抜けていて、昨日まで疾病(シッペイ)をシツビョウと読んだりしていて酷いものです。

科を変えては病院実習の話ばかりで、正直僕自身もマンネリ気味でありまして、読書の秋とも言いますから、これまで読んでビビッときた本を2冊、大学5年なりに紹介してみようかと思います。

『ものぐさ精神分析』(岸田秀, 1977, 青土社) 精神分析って単語だけでも相当にそそるものがありますが、ちゃんと勉強するとなれば本腰を入れる必要が出てきます。理論を理論として勉強するから難しいわけで、じゃあ実際に何を考える上で使えるのか、ということを教えてくれるのがこの本です。章ごとに多様な対象が精神分析されていくのですが、中でも近代日本を対象にしたものが秀逸です。鎖国の幼児的万能感に浸っていた日本はペリー来航で葛藤を抱え、それが戦争で分裂病(今の統合失調症)として発症するんです。応用って身近でわかりやすくて面白くてたまりません。

『先祖の話』(柳田國男, 1975, 筑摩叢書) 「日本的」って言葉は多用しがちなわりに曖昧で、ちゃんと意味を考えるとなると外国語の流入による日本語の危機みたいな話も浮かんだりして、そんなこといったら飛鳥時代に漢字が渡来したわけで、じゃあ結局「日本的」って何って堂々巡りになります。古事記とか万葉集みたいな大元の所はひとまず置いておくとして、少なくとも外国と密に接するのは周辺に対する中央なわけで、その意味で柳田さんは都市文化が浸透しきらない地方の伝承から「日本的」を探っていきます。山岳信仰、先祖神、家、墓、お盆なんかの概念があれよあれよと収束していって推理小説の趣です。

いやはや、人に何かを勧めるというのは非常に難しいです。僕の地元の仙台には「せんだいメディアテーク」という建築がおもしろい文化施設があるのですが、そこでは定期的にシネバトルという催しが開かれます。公募で選ばれた数人の素人がお気に入りの映画についてプレゼンを行い、どの発表が最も見たくなったかという基準で投票が行われます。企画の勝利というか、ものすごくいいイベントだと思って、仙台の人がうらやましいです。

人に伝えられるくらいまで、ちゃんと楽しめる人間になりたいものです。