現役東大生理Ⅲブログ

東大生TMNブログ~大学生活編Vol.59~ 2014年7月

大学生活編|現役東大生理Ⅲブログ

病院実習では患者さんとお話できるのが楽しみの一つなのですが、俳句を嗜む方を担当させて頂いて、お洒落な五七五を教えていただきました。

おおかみに 蛍が一つ 付いていた (金子兜太)

狼(冬)に蛍(夏)と季語もめちゃくちゃですが、古典に比した現代俳句ではまあありだそうです。情景を思い描こうとするほど霞んでしまうというか、なんというか。

大学病院に留まらないのが実習の良い所で、先日は在宅医療のクリニックを見学してきました。患者さんのほとんどは認知症のお年寄りです。入院治療はパッと発症してパッと治る急性疾患を得意としていますが、認知症や癌の末期などじりじり悪化していく慢性疾患は苦手です。日毎のベッドも無料ではありません。病棟でも慢性期に入った方の退院先が問題となる場面は多く、自宅なのか介護付マンションなのか特別養護老人ホームなのか、もちろん経済的な事情も重要な要素です。死に場所を尋ねるアンケートでは自宅と解答する割合が増えているそうですが、かといって医療的なサポートをゼロにするのもおかしな話で、そう考えると在宅医療のニーズは大きいように思います。昨年特養で介護実習を行った時と似た気分になり、「僕らが(医療というよりも)福祉なんだよね」と院長先生が語ります。医療が必要な人にそれを提供するのが医者の役割だとして、いわゆる大病院だけでは絶対にやりきれないと痛感しました。

もう一つショッキングだったのが、往診で訪れた患者さんの戸棚から出てきた薬の山です。内科やら整形外科やらあちこち掛け持ちしている病院のそれぞれから処方を受けるのですが、病院間の連携も十分ではありません。薬が混ざってしまって、朝に夕に眠前に適正に服用されているかも怪しいところです。訳が分からなくなったからと患者さんは捨ててしまう。けれどもそれだって無料ではなく、3割負担(高齢者では1割負担)の残りは税金です。在宅医療は慢性期の管理を一元的に担いますので、処方もまとまってすっきりします。

医療費が膨らんで大変、みたいな事は聞きかじるのですが、実態をいまいちわかっていません。大病院とクリニックの棲み分けにしろ服薬の一本化にしろ、あるいは医療を受ける側の健康保険に対する意識にしろ、何というか削ることのできるムダは意外と多いんじゃないかと感じました。

従来のままではいけないのかもしれない、なんてことを思うJulyです。