現役東大生理Ⅲブログ

東大生TMNブログ~大学生活編Vol.56~ 2014年4月

大学生活編|現役東大生理Ⅲブログ

Spring has sprung な感じの日が続いてなによりです。駒場の選択科目の翻訳論はクマのプーさんを訳して比べ合ういかした授業でしたが、”Spring has sprung” を前にした僕は「春がばねばねしているよ」と意訳なのか何なのか良くわからない文を書きだしてしまいました。一見ねばねばに読めてしまう悪文、オノマトペを動詞化するのがマイブームだったのだと思います。

さて、このところの病院実習は気持ち予定がゆるやかめで、その分張り合いに欠けるということもありまして、うわさの血液内科を回ったというのもありまして、存外雰囲気は普通でしたが迂闊な事は書けませんから、今回は病院を離れてみようと思います。

ちょっとした巡りあわせから文学部の主に院生の方々との読書会に参加していて、だいたい月に一回、言葉と論理に誠実な時間を楽しんでいます。今月も午前中から頭使った感いっぱいで充実していたのですが、昼食後、文学部から医学部に転入した研修医の方について六本木の国立新美術館を訪ねることになりました。もともと文化人類学をやられていた方で、ちょうど開催中の「イメージの力」展に関連したシンポジウム「アートと人類学」に出席するとのことでした。シンポジウムなんて単語だけで敷居が高いですが、思い切ってしまいました。

文化人類学的な資料(トーテムポール、お面etc)を解釈のコンテクスト(神話、伝承etc)から引き剥がし、純粋な芸術として感じることが展覧会のコンセプト。美術館の白壁にポツンと飾られたいちいちのイメージは、確かに力を持って迫ってくるようです。シンポジウムは数名の文化人類学者が展覧会を導入に自分の研究を発表するもので、内容は日本からアメリカへトルコまで、世界旅行の気分でした。その上、隣には専門家がいます。いちいちの疑問点から自然発生するディスカッションほど勉強になるものはありません。とりわけ文化人類学の方法論について。インタビュー等の調査では研究者の主体を排除できない、その事実に反省的であることで、研究者自身の条件をも研究対象とすることで、学問としての妥当性を保つ、とのこと。

医学ではEBM(Evidence based Medicine)といって、行う治療のそれぞれに大規模臨床試験に基づいた科学的根拠を求めようとする考え方が主流です。誰がやっても同じになるような、医療の標準化が目的としてあるでしょう。

厳密でどこか冷たい世界に浸ってみると、曖昧でどこか暖かいものが……隣の芝生です。